青?裸々な日常
2008年9月1日~
第155号  夢と初舞台。


9月1日(月)
新宿の、よく知ってると思われる円形の洒落た飲み屋さんで、伝の会がライヴをすることになった。
「まぁ、勝手知ってるからね、いいっすよ、やりますよん」と気軽に受けた私。
さて当日。楽屋がある二階のフロアから見下ろすと、お客様がたくさんいらしている。
おっほほほー、テンションあがるぜーー。
・・・・時に、どこで演奏するの?
お客様もスタンディングじゃん。

僕らはかなり高い位置に高座のようなものを作ってもらわないといけないんじゃないの?
えっ、作ってないの?
作ってないでしょうな、こっから見たってそれらしきものはないもんね。
なんだって?
右と左に別れて正座するの?
地べたに?
なにそれ?
真ん中にお客様がいて?
僕らからすりゃあ、お客様の足しきゃ見えないじゃん。
第一お互いの姿が見えんでしょうが。
なに?
スポット当てますから?
いやいや、そういうもんだいじゃないっしょ。
え?
邦さんがそれでいいって言ったの?
・・・・・ならしょうがないな。
邦さんが決めたんなら、なにか理由があんでしょ。
ま、ま、いいよ。
とにかくよく知ってるとこだし。
お客様も承知なんでしょ。
ま、盛り上がるよ。
え?
もう時間?
はいはい、なんだかワクワクしてきたねぇ。
いいねいいね、このテンション。
盛り上がりそうだなぁ。
はいはい、行きましょ。
と、邦さんのあとをついて降りてくと、お客様の歓声が耳に入る。
イヤッホー。
その時、私はあることに気がついた。
まだ私服なのだ。
え?
着替えてないじゃん。
あわてて、階段をのぼるワタクシ。
どっかにあるよなぁ、着物。
あれっ、まだバッグから出してないじゃん。
アラアラターイヘン。
でもたのしーー

その時、目覚ましがなった。
ただいま午前5時。
うーーー、さっき寝たとこなのにもう起きるのか。
しかし、忙しい夢を見るものだ。
寝た気がしない。
こんな夢ばかり見るから、朝起きると大抵疲れている。
でもホッともする。
だって、あの後まで夢が続いていたら、曲も弾くんだろーし。
まだ開演前で良かったよ。
元町のホテルを出てタクシーに乗り、神戸空港へ。
7時の飛行機は満席だった。
乗ってすぐに寝ちゃったから気がつかなかったが、
おりるときに、何か妙だなぁって思った。
ビジネスマンばっかしなのだ。
しかも男の人ばっかし。
通勤飛行機か!
まさか。
へぇ、そうだよね、8時に羽田に着くんだもんねぇ。
普通に会社だって行けちゃうね。
飛行機で通勤してたらマイルたまるだろーなー。
10時前には自宅に到着。

早い夕方に三七郎くんと剛二郎くんがやってきた。
5日の「テツクロの会」の下ざらい。
「秋の色種」ね。
良い感じの曲に仕上がりました。
いやいや楽しいったら。
彼らと入れ違うように、
なっちゃん(鉄文智)と鉄駒・鉄六がやってきた。
同じく5日の「七福神」「黒髪」の下ざらいね。
いやいや、長唄っていいっすよん。


9月2日(火)志の輔らくご 新潟。
ウチの稽古のあと、東京駅へ。
14時半の新幹線で新潟へ。
新潟って、めちゃめちゃ久しぶりだなぁ。
タクシーに乗ってりゅーとぴあへ。
タ「今夜は何か催し物があるんですか?」
テ「『立川志の輔独演会』でさぁね」
タ「ほー、落語ですかぁ、いいですねぇ」
テ「新潟ですねぇ」
タ「お泊りで?」
テ「いえ、今夜帰ります」
タ「えっ?今いらしたのに」
テ「ええ、滞在5時間ですわ」
タ「あー、もったいない。この次はごゆっくり」

到着。
志「テツクロ、一人か?」
テ「はい」
開演間際に呼ばれる。
志「どぉ?」
テ「えっ・・・・はい、がんばります」

中入り後、板付きで幕が開く。
高座の、さっきまで志の輔さんが座っていた座布団に、お三味線持って座ってる僕。
900人の拍手。
ワタクシ、900人では驚きませんが、その拍手と視線を一人で感じたという現実には充分ビビッております。
一曲弾いて挨拶して喋ってちょいと弾いて、最後にまた弾いて。
お客様は温かかったです。
心臓が口から出たまんま高座を下りて、中の舞を弾きだす。
師匠と目が合う。
志「ありがとー」
グスッ。
那覇で一人ライヴをやりなさいと言われ、やってるとは言え、
アタシャ初めてですぜー。
一人で、たった一人でーーーー。
わ゛ーーーーー。
ホンマ、
志の輔師匠と出会って人生変わったわ。
まさか、この大スターの間に、一人でやるとは思わなかったわ。
ホンマ、
エライお方とめぐり合ったわ。
ジェットコースターに乗ったわ。
ワタシ、今夜のことは忘れません。
駅に向かうタクシーの中で、
志「ったく、これでまた、お弟子が・・・。お前、最後にメールアドレス言うんじゃないかと思ったよ」
テ「あっ、その手がありましたか」
志「おいおい!」


9月3日(水)浜松
どんぶり鉢に入った水を何杯も飲んでいる僕。
飲むほどに冷たくなりそうなもんなのに、冷たかったりぬるかったり。
それでも次こそは冷たい水だろうと期待を持って、水道からどんぶり鉢に水を汲む。
よっしゃあ、ちょいと冷たいぞ。
よし、次はもっと冷たいの、と期待してまた水を汲む。
ぬぬ、ぬるい。
どーしてーーー?
冷たい水のあとにぬるい水が出るのーーー。
もう1回、冷たい水が出たら、さっぱりすんのにーーー。

「7時40分よ」
妻が娘を起こす声で目が覚めた。
ん?
7時40分?
え?
今日はどこに行くのだっけ?
浜松?
9時の新幹線。
ゲッ、だめじゃん。
寝坊じゃん。
8時に出なきゃいけないじゃん。
でぇーーーー!!
新幹線のホームにたどり着く。
ふーー、間に合った。
おっ、弟子が働いてる姿が見える。
新幹線のホームで働いていると言っていたっけ。
しっかり弁当売ってるな。
声かけてやろーかなぁ。
「よっ、がんばれよっ」って。
おっ、いかんいかん。
乗り遅れるところだ。
今がんばらなきゃいけないのは、バイトしているお弟子でなく、俺のほうだ。
静岡で目が覚めた。
まだ眠い。
全然目が覚めない。
そういやぁ、髪もぼさぼさのまんまだ。

浜松到着。
そのままゴルフ練習場へ。
お弟子のMさんが連れてってくれるというので、この新幹線で来たのだった。
天丼ごちそうになって、午後から稽古開始。
ダーーーッと。
気がつくと19時。
ふーーー、今日もがんばったぞ。
ただ、へとへと。
宴会を終え、本来ならエンボスの社長のとこに顔を出すとこだが、
もうダメです。
ダウンーーーー。


9月4日(木)岐阜。
よく寝ました。
9時間か10時間。
ただ、起きられません。
手とか足とかがズーーーンとしてる。
こりゃ、身体が起きるまで時間がかかりそうだということに気がついた。
ま、こんな時間の余裕もいいかも。
12時前に車で浜松を出発して、岐阜に向かいます。
途中で邦さんと合流。
今日は、岐阜のどこかで伝の会のプライベートライヴが開かれるのです。
賑やかに、楽しくライヴを終え、お客様との懇親会。
まぁ、飲ませるのが上手なお方が揃っていて、フラフラ。
帰りの新幹線で邦さんともいろいろ話し込み、帰宅。
ふーーー。


9月5日(金)テツクロの会。



今日は「テツクロの会」だけ。
他に予定無し。
結構ですな。
ここんとこ、一日に複数の仕事が多かったから。
いやいや、午前中、のんびりさせていただきましたわい。
自分の名前の会だけど、鉄駒・鉄六がプロデュースなので、さしてやることもなく、なんと気が楽であろうかと、ありがたい気分でやす。
夕方近くに庚申塚スタジオフォーへ。
19時30分開演。
おっ、お客様がいっぱいだ。
補助席を出すとか出さないとかと言っている。
お客さんの入りが心配だったのに、よくいらしてくださったわーーー、感激であります。
とにかく皆様のおかげでなんとか「テツクロの会」第1回が終了いたしました。
厚く御礼を申し上げます。


9月6日(土)
伯母「アッチャン、しばらくね」
テ「どうもどうも、どうしたのこの写真」
伯母「お父さん(伯父)とね、撮ってもらったのよ」
テ「伯父さんも伯母さんも人ごみの中でこっち向いてて光ってるよねぇ。なんかかっこいいね、どこなの?」
伯母「これね、『鶴瓶噺』よ」
テ「えっ、鶴瓶さんの独演会に行ったの?」
伯母「そうなのよ、そこで撮ってくれてたんだねぇ」
テ「だけど大きな写真だね」
伯母「週刊誌よ」
テ「えっ、ほんとだ。文春の見開きのグラビアだ。え?え???どういうこと?あれ?伯母さんも伯父さんも・・・・・
いや、しゃべってるし、写真に載ってるんだから・・・生きてるのか・・・亡くなってると思って悪かったなぁ」

目がさめた。
大塚に住んでいた母親の姉夫婦の夢だった。
もう亡くなっている。
どうして急にこんな夢を。
昨日は父親の祥月命日だった。
テツクロの会は大塚の近くだった。
この二点がこの夢と関係しているのだろうか?
昨夜のテツクロの会が盛り上がってうれしかった。
いろんな人が日記にアップしてくれたり。
さて、今日は10時からずーっとお稽古日。
最後のお弟子さんが21時すぎに終わった。
スクハジも残っていた。
ひどい雷雨になっている。
車で駅までおくる。


9月7日(日)二宮。
6日夜
娘「明日どこに行くの?」
テ「ニノミヤだよ」
娘「ええええっ!!!」
娘は「嵐」のファンらしい。
小田原の手前、大磯の先の「二宮」にやってきました。
初めて降りる駅ですわ。
会場まで700メートルまっすぐ歩くのです。
その間に床屋さんと美容院が7軒もあった。
午前中の早い時間なのに、どこも混んでいる。
スゴイなぁ、と妙な感心を。
「五月雨」を踊る方がいるので、その地方を。
唄は勝彦くん。
いやいや、久しぶりに会った。
そして、伝の会を30分やることになっている。
なかなか良い会場ですねぇ、弾いてて気持ちが良かったです。
無事に終了して、邦さんは京都へ、僕は東京へ。


9月8日(月)
夕方ちょいと昼寝が出来た。
以前なら、それでスキッとしたんだが、最近ではだるーくなるようになってきた。
うーーーん。


9月9日(火) 初めてのヘッドホーン。
昨日に引き続き稽古日。
40分間空いたので、近くのおそば屋さんへ。
もりそば。
なんだか久しぶりに、もりそば食べた。
夏前までは毎日食べていたのに。
その事実に気がつき唖然とした。
ほかに、何か好物で忘れているものはなかろーか???
娘「あれ便利だね」
テ「イヤホーンか」
娘「うん。CDも聞けるしDSの音も聞けるんだよ」
テ「みんな同じなんだな、良かったな」
娘「うん」
テ「そんなにスゴイやつじゃないけどヘッドホーンもあるよ」
娘「えっ、持ってるの?」
テ「うん、大したものじゃないよ」
娘「貸して貸してーー」
テ「ああいいよ、あとで出してやるよ」
娘「こないだ、Mのお祖母ちゃん家に遊びに行ったときにさぁ」
テ「ああ」
娘「HMVって、大きなお店があったのね」
テ「ああ」
娘「そこで初めてヘッドホンした」
テ「えっ?初めてって人生で初めて?」
娘「うん。あこがれてたんだー」
テ「そりゃあ、感動しただろ」
娘「うん。最初、耳あてとの違いがわからなかった」
初めてヘッドホーンしたのかぁ。


9月10日(水) どちらへ?
朝の羽田空港。
搭乗口の近所の空いている椅子で、スケジュールの確認をすべく、手帳をドドッと広げ、ああでもないこうでもないと唸っていると、
「すみませーーん、写真撮ってくれませんかーーー」
20代だか30代だかのご夫婦が二組、一組は赤ん坊を抱いている。
「はいはい」
飛行機をバックに撮りたかったんだそうだ。
良かったね。
あれっ?
どこまでスケジュールやったんかいな?
しかしまぁ、話かけられることが多くなってきた。
道はしょっちゅう聞かれるし、お店で買い物するとレジのオバチャンがじゃんじゃん話しかけてくるし・・・。
ワタクシ、随分と人懐っこい風体になってきたのか。
以前はブスッと度もかなり増していて、「話かけられる雰囲気ではない」とよく言われたものだ。
変われば変わるものだなぁ。
飛行機に乗ると、あとから乗ってきた隣の席の人が、
「あ、失礼します」と言って隣に座った。
なんと丁寧な人だ。
ついつい
「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。で、どちらへ?」
と聞いてしまった。


9月11日(木)
昨日は大阪~京都~大阪と移動したが、
今日は大阪で仕事を2つして、夕方から名古屋に向かった。
志の輔さんの独演会があるのだ。
志「明日、北九州だよな」
テ「はい、同行いたします」


9月12日(金)小倉。
昨夜の打ち上げは12時くらいまででしたかな。
ゆっくり寝ました。
9時には名古屋駅新幹線ホームに、志の輔さん、志の春さん、メンソーレさんと僕が佇む。
席に着く。
志の輔さんと向かい合わせで3時間。
やってきました小倉。
1200人が志の輔さんを待っております。
ゾロゾロっと入っていくと、今朝飛行機でやってきた、ゲストのダメじゃん小出さんが迎えてくれる。
ダ「僕、今日、皆で羽田から行くのかと思って、気合入れて早くから空港で待ってたんですよーー」
テ「はははは」
立派な楽屋をおのおのいただいた。
立派すぎて心許ないので、だいたいダメじゃんの楽屋にいさせてもらう。
今日も師匠はパワーあふれる高座で、お客様をグイグイ引きこんでいる。
スゴイもんですなぁ。
ダメじゃんさんも面白い。
やっぱいいねぇ。
昼公演なんですね、金曜日なのに。
おもしろいですね。
金曜日の昼に1200人集まったのですね。
夕方終わり、一同は大型タクシーに乗り込む。
志の輔さんを出待ちするファンの人たち。
キャーー!
いざ、福岡空港へ。
いやいや、渋滞してなくて良かったーー。
無事に飛行機に間に合う。
それでも、乗る寸前に
志「ビール飲むか?」
ダ・テ「はい!」
と、生ビールをグーーッと飲み干し機内へ。
あっと言う間に寝てしまい、したがってあっと言う間に羽田へ。
気がつけば羽田。
10日の朝にいた羽田。
あれから何日も過ぎた気がするが、一昨日のことやねん。
さ、帰ろうっと。


9月14日(日)徳島へ。
4時半起床。
なんだか、定期で通いたいくらい今月は通っている羽田空港から、徳島へ。
徳島。
うーーん、久しぶりだなぁ。
鉄十郎師匠の弟子になり4ヶ月後にカバン持ちと運転手で行ったのが徳島でした。
鉄十郎・和佐次朗両師匠がお稽古場を持ち、月の半分はいるんじゃないかといわれるほど惚れこんだ徳島の土地。
当然、あの時から徳島という土地は僕にとっても第二のふるさとと言ってもよいくらい、通っております。
早いもので28年ですか。
空港に迎えに来てくれた地元のKよりも昔のことを知ってたりします。
今回の目的は和佐次朗師のお弟子さんのときわ(和佐比路)さんの浴衣会。ときわさんとも28年のお付き合いですな。
と「えーーー、アツシさんが50歳になるのーーー!」
テ「まだや!ときわさんだって60やん」
と「キャーー、いわんといてーーー」
古ーーい姉弟弟子ですな。
さて、空港から向かった先は、そのときわさん宅。
下ざらいを家でやると言う。
たしかに、家で下ざらいできるほど立派だもんなぁ。
お宅にお邪魔して、キッチンでコーヒーを飲みながらテレビを見たら、9時になるところだった。
スゲー、まだそんな時間にもうここに来てるのかぁ。
無事に下ざらいも終わり、お食事会。
ビールから始まるが色々飲まされる。
寝不足だし。
酔うわな。
ヒロキ(忠次郎)に、「今日は早く帰るからな」と言ってあった。
ヒ「アツシさん、そろそろ帰りますよ、アツシさんも」
テ「うぃっ、なぁにー?」
ヒ「こりゃダメだ」


9月15日(月)
気がついたら8時だった。
ウッ、焼肉くさい。
そういえば、あれから、いつものカルネヤ(焼肉)に行ったのだった。
僕はうどんが良いって言ったのに。
シャワーシャワー。
電話が。
ヒ「起きてます?」
テ「ああ、おはよう」
ヒ「二日酔い?」
テ「いやっ、大丈夫だな。元気だよ」
ヒ「アツシさん、タフになったねぇ!」
久々に会う弟弟子にほめられ、良い気分で祥雲閣へ。
ここで、浴衣会があるのですね、毎年。
僕が、ときわさんの浴衣会に来るようになって3年くらいかな。
昨年は来られなかったんだけど、お弟子さんたちがドンドン上手になってきた。
活気もあるし。
楽しみ楽しみ。
無事に終了すると宴会宴会。
芸達者たちがいろいろやる。
二次会に行く途中、Kに徳島ラーメンに連れて行ってもらう。
宴会から参加している家元と一緒にホテルに戻ったのは1時を回っていたか。
当時、和佐次朗さんたちとウロウロしていたころは、ホテルに帰ると4時くらいだった。
それに比べれば、まだ宵の口。
家元「アツシ、昨日今日とご苦労さまだったな」
うれしい言葉を聞いた。
神戸の和三千紘さんの浴衣会に引き続き、徳島のときわさんの浴衣会が終わった。
これで秋になる。


9月16日(火)徳島からソロモン流。
飛行機は12時30分発。
ゆっくり寝られるぞ。
と思ってベッドに入ったのが2時くらいだったかな。
気がつくと11時。
おおっ、ちょっと焦った。
10時前には起きると思っていたのに。
いやいやよく寝たものである。
さてと、支度をして徳島空港へ向かう。
飛行時間1時間はほんにアッという間だ。
気がつけば羽田。
家に帰ってシャワー浴びてたら娘が学校から帰ってきていた。
テ「わーーーーっっっ!!」
娘「ただいまって言ったよ」
テ「びっっっっくりしたー」
娘「しかも2回も」
テ「お前もシャワー浴びたらいいぞ」
娘「お稽古?」
テ「うん、でも6時からだ」
娘「じゃ、遊んで」
テ「おお、ちょっと横になろうよ」
娘「昼寝じゃん」
僕は10分だけ昼寝したが、娘はお稽古の時間になっても起きない。
2時間寝たらしい。
9時にお稽古が終わり、夕食を食べながら録画してあった「ソロモン流」を見る。
娘「パパ、黄色のアライグマ(シャツ)じゃん」
テ「結構映ってるな」
娘「黄色いじゃん」
テ「志の輔さんかっこいいなぁ」
よっしゃ、観たぞ、ソロモン流。


9月17日(水)ビバ沖縄。
「家族で旅行」という言葉に、ものすごく縁遠い我が家です。
家長としてよろしくないと思ってはおります。
ということで「マバシ家ビバかりゆしビーチ」を企画いたしました。
夜6時すぎに那覇空港に我が家が降り立つ。
まぁ、しかし、台風13号で飛行機が危ぶまれていたが、なんのことはない、なんの心配も羽田空港はしておらず、スッと飛びました。
「ちょっと雨降ってるよー」な感じで、かるーくフライト。
スゴイもんですなぁ。
那覇からはレンタカーですね。
とにかく私、企画したと言っても、専属旅行代理店に丸投げですから、指示通り動くだけですねん。
とにかくカーナビに、かりゆしのホテル名を入れたら連れてってくれました。
70キロ北に行ったということがわかりました。
かりゆしのホテルに到着。
すっかり夜。
窓の向こうに見えているのはでーーーっかい海なんだろう、きっと。
とにかくホテルで夕食食べてのんびりしよう。


9月18日(木)ビバ沖縄。
おお、やっぱり海だった。
ちょいと雨雲が残る朝でしたが、みるみる晴れていく。
木々もきれいだ。
いざ、美ら海水族館へ。
ほほぉ、20キロも離れているのかぁ。
10時前に到着。
ピーカン。
そりゃ、イルカも飛ぶわ。
亀も寄ってくるわ。
いやいや、満喫いたしました。
とにかく、日本全国から来ているんですなぁ、お客様。
水族館内はさまざまな方言で満たされていましたわぁ。
それにも驚いた。
車、ぶっ飛ばしてホテルへ戻る。
まずはホテルのプールへ。
そして、ビーチへ。
そしてまたプールへ。
とにかく娘はプール好き。
なんのことはない、娘は、プールにさえ入れればいいのだった。
海にも感動していたが、とにかくプールらしい。
夕食はアグーを食べに恩納まで。
13キロ走る。


9月19日(金)ビバ沖縄。




「わーーーー、もう9時だーーー」
の叫び声を上げたのは僕。
寝坊した。
とにかくこの2日間、僕の就寝時間は小6の娘よりも早い。
夜の10時前には寝てしまっている。
昨夜もそうだった。
なのに、寝坊。
11時間寝っぱなしかい。
まぁいい。
とにかく、急いで朝食食べて、プールで泳ぐぞーーー。
娘とビーチボールで盛り上がっているのだ。
はぁはぁはぁ、とにかくプールも満喫して、いざチェックアウト。
那覇に寄って、ご飯たべてお土産買って、車返して、空港へという段取り。
ふと思いつき、公設市場へ行く。
おおお、やけに家族が盛りあがる。
そして、二階のあのごちゃごちゃしたところで食事。
おおおお、テンションがあがる家族。
ここで良かったのか?
いや、リゾートも良いのだろうが、
こういうところで、ビール飲んでチャンプル食べるのが良いのか。
さすがマバシ家だ。
そしてお土産買いに。
よっしゃー、車もぶつけずに無事に返却。
そして空港へ。
荷物も送った。
手ぶらで帰宅だ。
有楽町から地下鉄に乗る。
あっははははー。
しかし、うまく行った。
飛行機が飛ぶかとの心配から始まった旅行だったが、無事に帰ってくることが出来た。
ホッとしたわい。
と、
マバシ家が口々に言いながら乗っていた地下鉄は、
最寄り駅に停まらない急行電車だった。。。
その晩、お風呂で。
テ「すごいなぁ、12時間前は、かりゆしのホテルで泳いでたんだぜ」
娘「そっかぁ」
テ「楽しかったな」
娘「うん」
テ「楽しかったよな」
娘「はい」
テ「たのし・・」
娘「もういいだろ」
テ「楽しかったのならいいのだ」
娘「一番驚いたのはね」
テ「うん」
娘「飛行機」
テ「おっ、人生2度目の飛行機だな」
娘「一度目は、2歳から3歳になるときに行った徳島でしょ」
テ「ああ、あの時のこと覚えてるか?」
娘「『乗った』とは覚えてるけどさ」
テ「後日のスリコミってこともあるな」
娘「うん。それでね」
テ「ああ」
娘「新幹線にしょっちゅう乗るじゃない」
テ「ああ、お前の年にしちゃあ、よく乗ってるよな、仙台まで」
娘「飛行機もさ、新幹線みたいに、いろいろ停まるのかと思ったの」
テ「おお、そうなるか」
娘「沖縄まで行く間にさ、何ヶ所かは停まるもんだと」
テ「なるほどー、やれ大阪じゃあ、博多じゃあってな。
娘「うん」
テ「で、結果は停まらなかったわけだ。いつ『ああ、停まらないんだなぁ』って思った?」
娘「沖縄に着いたとき」
テ「ははは、そりゃそうか」
娘「『なんだ、停まらないんだ』って」
テ「お前、那覇空港に着陸したときに、こっそりそんなこと思ってたんだな」
娘「うん『着いちゃったよー』って」
テ「はははは、おもろい!」
娘「ふふふ、それが一番驚いた」
テ「だからさ、飛行機の隣の席の人に訊くってギャグがあるんだ、『どちらまで?』って」
娘「ははは、ああ、そういうことかぁ。『あなたも一緒でしたかぁ』って」
テ「そうそう」
娘「今度やってみようかな」
テ「よしとけ、古すぎるギャグだ」


9月21日(日)志の輔らくご 21日世紀は21日。
近所の呉服屋さんの白瀧で、また伝の会をやろうと言ってくださり、
その打ち合わせをし、そのまま新宿へゴー。
西口はお祭りだー。
気持ちが盛り上がりますなぁ。
今日は志の輔さんの安田の会。
久しぶりだなぁ。
そんなはずはない。
毎月21日なんだから。
前回から一ヶ月経ったということなんだろうけど。
この毎月21日をお手伝いさせてもらって3年くらいになるのかな。
ひと月があっと言う間の時もあるし、久しぶりと感じる時もあるしで。
なかなか、時間と気持ちというものに、差があるんだなぁと感じるわけであります。
志の輔さんの2時間は、毎回刺激と元気をくれる。
そーれー、打ち上げだーー。


9月22日(月)那覇。
那覇の稽古日。
飛行機もホテルも混んでいるのか、いつもの往復の便は取れず、妙な時間のフライト。
午後3時那覇着。
大勝軒に行って帰るとそこそこの時間になっている。
あわただしくライヴの支度。
稽古の後に、一時間、一人ライヴを始めて今夜で3回目。
そのライヴの演目がまとまっていない。
あれやこれやと思っている間に稽古の時間となる。
うーーん、どしよどしよーー?
と言っている間にお客様は集まってくる。
ま、とにかく始めよう。
まぁ、そんな時ってしゃべることしゃべること。
あっと言う間に一時間。
大丈夫なのか?
ちゃんと弾いたのか?
ふーーー、ま、お客様も喜んでいるようなのでヨシとしましょ。
安堵して飲んだビールが効いた。


9月23日(火) お彼岸。
朝8時の飛行機に乗るために早朝起床。
うーー、フラフラする。
睡眠不足だ。
早く観光客が少なくなってくれないかなぁ。
都合の良い飛行機が取れなくていけませんよ。
満席の飛行機で帰京。

今日はお彼岸。
とにかくワタクシ、ご先祖様ほったらかしている。
罪悪感でいっぱいなのだ。
よっしゃー、家族でお墓参りだーーー。
というカミさんの一言で、この日、各地に散らばっていたマバシ家三人が集合。
いざ、駒込の菩提寺に。
父・母・祖父・祖母・大叔母が眠る我が家のお墓と、
伯父・伯母のお墓、そして祖母の実家のお墓が、同じお寺内なので、
ワーーッとお参りさせていただく。
今日初めて、マバシ家のお墓の目の前のお墓の持ち家の方に会った。
「今後ともよろしくお願いします。」
とお互いに挨拶。
おもしろいものだ。
最終的には、お互いのお墓に入ってご近所付き合いをするのだろう。
現世での繋がりは一切ないが、その後に長ーいお付き合いが待っている。

娘が「今度、お墓参りに行ったら後楽園に寄ってくれる」という約束を覚えていた。
テ「じゃ行くか。あの落下傘みたいなやつに乗って、また大泣きしてみるかぁ」
娘「もう泣かないよ・・・でも、それじゃなくていいから」
なーんだ、でれしのねぇネェチャンだぜ。
結局、ウォータースライダーに乗り、親子でビショビショになる。
帰ってきて、CSでやってた映画を、珍しくソファに横になりながら見て、「このニコール・キッドマンはいいなぁ」と思い、
焼き魚でご飯。
さ、さ、早くお風呂に入って寝ましょ。


9月24日(水)
早起きをした。
6時ちょい前にゴルフの練習場に行ったら、なんと、満席だった。
ひとっっっつも空いていない。
おーーーー、ビックリした。
そういうものなのか!
そんなに早くに打ちっぱなしに行くものなのか。
いやいや、世の中知らないことは多い。
なーんにもせずに帰ってきた。
夕方、猛烈な睡魔が襲ってきた。
イカンイカン。
大事なお弟子さんの時間に睡魔などと。
でもあんまりシンドイので、お弟子さんに言ってみた。
「失礼なことはわかってるんだけどね、あなたの大事な稽古の時間に。
今、ものすっっっっごく眠い」
言ったら楽になった。
言葉とは不思議なものだ。


9月25日(木)
まずは昨日の、お弟子さんとの会話。
J「こんにちは」
テ「おお、暑いね」
J「暑いですね、今日ね、日差しが」
テ「髪、さっぱりしたのか」
J「そうなんですよ、ウチの犬なんか、一ヶ月に2度も3度も毛を刈ってるのに」
テ「はははは」
J「自分のことは忘れてたというか、間がなくて」
テ「そうだよねぇ・・・・」
J「どうしたんですか?」
テ「いや、俺も切りたいんだけどさぁ、間がなぁ・・・・」
J「・・・・・」
テ「あれ?」
J「え?」
テ「俺、この分だと明日は休みだなぁ」
J「お仕事ないんですか?なんか書いてあるじゃないですか」
テ「そうなんだよ。これ、今の時点で電話がかかってこないってことは」
J「ないんだ」
テ「ないね」
J「ほかに予定は?」
テ「ないんだ、つーことは」
J「休みですね、どうみても」
テ「ほんとだね。休みじゃん」
J「で?」
テ「美容院だ」
J「話の流れで」
ということで、晴れて、ワタクシ、本日、美容院に、行ったのであります。
12時に予約したから、朝がのんびりだなと思っていたらとんでもない。
起きたら11時近く。
あわてるのなんのって。
渋谷の美容室、担当は鈴木さん
鈴「今日は、数時間空いた?」
テ「休みなんですよ」
鈴「夕方まで?」
テ「いやいや、今日いっぱい」
鈴「明日の0時まで?」
テ「ま、そういうこと」
鈴「7月でしたかね」
テ「また二ヶ月経っちゃいましたかね」
髪を切ってもらうと、髪の毛がツヤツヤになって、喜んでいるようだ。
自宅に戻り、事務仕事事務仕事。
夜になり、ふと、明日は何時の飛行機かなとチケット調べる。
ゲッ、7時だ。
そっか、伊丹空港まで邦さんとデンキチが迎えにきて、そっから山崎に行くんだった。
しかも午前中、学校でやるんだった。
支度支度。
デンキチから電話で、持っていくものを指示される。
結局大荷物になってしまった。
本公演のチケットの発送も続いている。
と、渡したはずのチケットが手元に・・・・
テ「もしもし、夜分に悪いね、君の師匠だが」
H「あ」
テ「実はさ、昨日チケット持っていったよね」
H「そうなんです、それでお電話しようと思ってたんです」
テ「ん」
H「チラシしか入ってなくって」
テ「そうだろ」
H「チケットが入ってなかったんです」
テ「そうなんだよ、君の座るところはないんだよ」
H「えェーーーーー」
テ「すまん。入れ忘れたようだ。今度の稽古日に渡します」
ふー、お弟子さんで良かった。
お客様への発送で間違いがないかが不安だ。
それを考えると夜も寝られない。
あ、明日早いんだ。
寝よ寝よ。


9月26日(金)伝の会 宍粟編。
朝7時前には羽田空港にいた。
ちょいとフラフラする。
気になることがあった。
昨夜から娘が高熱を出していた。
40度近い熱を出してウーンウーンと言っている。
鼻水が出て高熱が出た。
風邪だろうなぁ。
俺もそんな症状なんだよなぁ。
那覇からの帰りの飛行機からクシャミがよく出る。
花粉症のような症状が続いている。
うっ、風邪だったらイヤだなぁぁぁ。
熱が出たら困るなぁ。
そんな風に考えると憂鬱だ。
なんか思いのほか元気がないし。
節々も痛いような気がする。
あーー、熱はカンベンしてくれよーーー。
暗ーくなりながら、伊丹空港行きの飛行機に乗る。
伊丹空港に着くころ目が覚めた。
雨。
夕方みたいに暗い。
オイオイ、これから100キロ運転しなくちゃいけないのに雨かよーー。
身体が動く。
おっ、調子いいぞ。
熱の出る気配もないぞ。
うーむ、どうやら寝不足だったらしい。
小一時間寝たら元気になった。
邦さんとデンキチ夫妻が乗った車がやってきた。
雨の中、ササッと乗り込む。
さーて、山崎まで行きまっせーー。
中国自動車道を走り始めたら雨がやんできた。
よっ、いいねぇ、たすかるよーーー。
SAで朝食を食べるころには良いお天気に。
いやいや、ありがたいありがたい。
宍粟市山崎文化会館に行き、舞台の段取りをしてから、
そこから15キロ離れた三土中学校へ。
全校生徒が66名。
えっ、3学年で?
いいねいいね、行き届きますねぇ、教育がぁ。
全校生徒と総ての先生が音楽室に入れる。
伝の会をたっぷり90分。
窓からは山々が見える。
窓をあけると秋の風が教室を通りぬける。
普通、窓を開けてる演奏はあり得ないが、今日は途中から開けたままにした。
多少音は散るが、気持ちが良いのだ。
また、15キロを引き返し山崎文化会館へ。
今回はゲストの今藤敏葉さんとデンキチこと今藤佐知保で「越後獅子」を弾いてくれることになっている。
唄が邦さんと僕。
まぁ、こういうのもあってもいいでしょ。
そのリハーサルを終えると、僕と邦さんは食事に。
帰ってくると本番まで昼寝。
たっぷり寝る。
楽屋がお座敷で良かった。
とにかく寝る。
開場のころ起きる。
身体がボーっとしている。
中学校に行ったのが昨日みたいな感覚。
さて、ライヴライヴ。
2年振りの山崎。
たのしいライヴだった。
打ち上げの後、100キロを走り大阪に帰ってきた。
ふーーー、何事もなく無事で良かった。
娘に電話をしたら、元気になっていた。
お医者さん行って風邪薬もらって飲んだら熱も下がったそうな。
テ「良かったな。40度近くはしんどかったろうな」
娘「うん」
テ「でも唸りながらも寝られるんだからいいよな」
娘「焼肉が食べたい」
テ「えっ?」
娘「焼肉が食べたい」
テ「わかったよ、明日の晩に行こう」
娘「うん」
子どもの回復は早い。


9月27日(土)
早めに伊丹空港に着く。
3時間くらい時間をつぶす。
空港に長い時間いることが苦ではない。
なんでだろ?


9月28日(日)
娘はキッザニアに行く予定になっている。
25日から熱を出し、26日に回復し、27日に焼肉をたらふく食べ、
万全の態勢を作っていたということだ。
その間、学校は休んでいる。
イベントにかける姿勢に唖然とするね、しかし。
僕は一日お稽古日。
隙間隙間に事務仕事。
名簿整理を始めた。
こういう仕事が大好きなのだ。
伝の会で書いていただいたアンケートで、お客様一人一人、いついらしたかをチェックしていく。
新しいお客様は名簿に加える。
妙な達成感があるのだ。
時間を忘れるわ。


9月29日(月)
今月最後のお稽古日。
お弟子さんが聞く
「来月のお稽古日はいつからですか?」
僕が答える
「1日からだよ。おいでおいでー」
すると、必ずお弟子さんは言う
「あさってジャン!」


9月30日(火)
9時の新幹線に乗った。
最近、飛行機ばかり乗っている、新幹線は久しぶりーーー。
浜松のお稽古日なのだ。
飛んでくれないかなぁ。
午前中にお稽古して、お弟子さんたちとランチを食べに行く。
お腹いっぱいになり5分くらいウトウトして再びお弟子さんのお稽古。
ふーーー、となったところで、お弟子さんの家に行くというイベント。
お宅拝見である。
そこでお弟子さんのお稽古をし、お稽古無事に終了。
乾杯のビール。
ふーーーー。
いやはや、目の回るような稽古日だった。
3回に分けてのお稽古。
お稽古でピリッとし、終わるとホッとしを3度繰り返すと、さすがにクタクタになる。
なんか、気分は三公演。
そして最終の新幹線に乗る。
東京駅に着いても起きられないくらいに熟睡した。
こうして、9月最後の2日間はお稽古三昧でした。
さて、明日から10月。
やっぱり稽古日から始まる。

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