青?裸々な日常
2008年5月1日?
第151号  お風呂がピカーーッと。



5月1日(木) 伝の会 所沢編。
5月やん。
メーデーやん。
5月1日って何かあったぞ。
所沢やん。
ライヴやん。
あわてて、スタッフに電話して打ち合わせしたのが昨日。
ま、スタッフは着々と準備をしていてくれたのだけど。
なんだかんだで、一年半ほどの間に所沢で3回目のライヴが出来ることはうれしいことです。
所沢駅に隣接している西武デパートの8階。
ワルツホールというところでやるのです。
便利だねぇ。
雨降っても傘がいらないねぇ。
こないだまで映画館だったところをホールに改造したそうな。
椅子が映画館のまんまだ。
いいなぁ、リラックスできそうで。
私、このホールが気に入ってしまいました。
本番始まって、弾いてるうちに三味線が空間にだんだんなじんで来ました。
そういうものなんだなぁ。
おもしろいもんだなぁ。


5月2日(金) 浜松。
うーー、4時間くらいは寝たかな。
なんか、二日酔いではないのだけれど、酔ってるような、目がさめないような。ウィーー。
8時の新幹線に乗る、ウィー。
なんだなんだーー、混んでるぞーー。
そっかぁ、連休かぁ。
なんだか、寝られない。
浜松着。
「しっかりしてくださいよ。10時30分からですよっ!」
とハッパをかけられる、ウィー。
今日は、浜松のお弟子さんの中のUさんの新築祝い。
ただ新築祝いをするのもなんなので、小っちゃなお浚い会やろうということになり、ここ二ヶ月、お弟子さんたちがんばって練習した。
三美会という名前がついてるんですね、我が稽古場は。
とにかくお弟子さんたちがんばってやり遂げました。
良かった良かった。
そんでもってお食事。
えへへ、お腹が空いたのら。
美笠の特製お膳。
あははは、うまそうなのら。
まだ、真昼間ですがね、えへへ、乾杯しますわね、飲みますわね。


5月3日(土)
いやいや、気がついたら10時だった。
おお、11時の新幹線に乗らなきゃいかんのだぞーー。
フー、なんとか間に合った。
今日も新幹線は混んでいる。
ウトウトってしたくらいで品川に着いた。
そして渋谷へ。
美容院で家族が揃うことになっている。
どんな家族や!
さっぱり髪の毛を切り、食事。
久々に台湾料理。


5月4日(日) 扶養。
Y「扶養家族は娘さんだけですね」
テ「はい」
娘「えっ、アタシは不要なの」
字に書くとわかるが、音だと一瞬わからなかった。


5月7日(水)
朝からお弟子さんの稽古。
有楽町線が「東池袋」で止まっちゃったらしく、「池袋」まで一駅歩かされたそうな。
ええっ、そんなことあんのーーー。
そんな目にあう、かわいそうなお弟子さんもいたもんで。
夜遅くにお稽古が終わる。
そして、邦さんがやってきた。
邦さんは今日が誕生日。
「やっぱり誕生日はアツシといないとな」
などと言いません、気持ちわるいでしょーが。
テ「どもども、すんませんね、ケーキも買ってない我が家へ」
邦「いえいえ、どもども」
さてと、
打ち合わせをすることが山ほどある。
二人とも、顔を突き合わせないと話が進まないという妙な人たちでして。
会って話せばあっと言う間に決まる。
トントントンと決まっていく気持ちよさ。
スタッフは大変だろうけど・・・。
7月のライヴ、神戸・博多・東京。
それに名古屋が決まった。
ヤッター、名古屋。
なっかなか出来なかった名古屋。
少人数の場所だが、やってみようということになった。
決まるときは決まるもんだ。
次に会うのは、10日の沖縄のライヴで。
おかげさまで超満員だそうだ。
あっと言う間に売れるってうれしい。
早くも次回の那覇ライヴの日取りも今夜打ち合わせをした。
テ「じゃ、また。那覇の空の下で」
邦「おお」
と言って帰っていった邦さん。
今日でめでたく51歳。


5月9日(金) 那覇。
午前中には那覇にいましたがな。
気がついたら、着物に着替えておりましたがな。
FMのハッピーアイランドに出るために。
え?
よーく考えたらラジオなんだから着物でなくても良かったんでないの。
ま、気は心ちゅーてね。
明日の伝の会の宣伝のためだったんですが、
おかげさまでとっくに完売になっていたんで、
急遽、11月の那覇編の宣伝になりました。
邦さんいないと心細いかも。
考えてみると一人出演するの初めてかも。
電話とかではあるけど。
一人で三味線って何やったらいいの?
「母の日」にちなんだ曲って?
フォーク弾けますかってことで「神田川」
なんでやねん!
母の日なんやろ。
どーゆーことやねん。
よーく聞いたら、この番組は、お母さんがフォーク世代だって年代のリスナーが
多いっちゅうことですな。
いやいや、おもしろい。
おもしろいじゃん。
弾こうじゃん。
弾いて唄ってみようじゃん。
ということで、「神田川」。
そして「『神田川』を長唄調にするとこうなる」みたいな曲をやってみました。
ま、あとは、CD流してるしね。
伝の会は充分ですね、あは。
さて、お腹が減ったので食事ですよ。
なんたって、大勝軒ですから。
池袋大勝軒那覇店。
ほんとに沖縄かよっ!
沖縄来たんだから、他に食べるものあるだろ!
と、お怒りの声も聞えてきますが、
好きなものはしょうがない。
どこ行ったって、大勝軒があれば行きます、キッパリ。
そして、お稽古、お稽古。
その後は明日の準備。
とにかく、お客様に窮屈な思いをさせないように、色々工夫工夫。


5月10日(土)伝の会 那覇編。



えっ?
邦さん来るのって12時くらいじゃなかったの?
あれっ?
15時那覇到着って、遅くない?
あれっ?
セッティングしたのは僕なんだけど、どーして、そんなにゆっくりな時間の飛行機とったんかなぁ?
なんでかね?
12時くらいに着くと思っとったから、お昼食べに行くところとか決めてたのに。
ま、ま、しょうがない。
邦さん来るまでに片付けとかなきゃいけないことやっとこ。
というのは、邦さんと話してて、那覇編でイカノンデやろうと決まったもんだから。
ギターどっかで借りなきゃいけなくって。
んなことしている間に邦さん到着。
テ「お腹減ってる?」
邦「すごく減ってる」
テ「はい、じゃ三笠に行きます」
邦「美笠?」
テ「浜松じゃないよーー、ここにも『みかさ』があるのらーー」
三笠は食堂。
最近見つけた。
500円もあったら、お腹いっぱいになる。
スゴイとこがあるねぇ。
邦さんこういうとこ絶対好き。
で、二人が注文したもの。
ドドーンと850円の三笠ランチ。
はははは、500円でお腹いっぱいのお店の850円のランチ。
揚げ物揚げ物、そしてハンバーグと揚げ物。
ははははは。
「このランチが食べられたら、あなたの胃は健康で賞」
という賞がいただけそうです。
もっっちろん、邦さんは完食。
見事。
あ、ポテトを一つだけ残してたな。
意味がわかんない。
さあ、ライヴの始まりです。
いやいや、那覇編って3回目なんですね。
前回から、ここ、コルコヴァードでさせてもらっています。
ジャズのお店。
3回目ということで、沖縄の人たち、伝の会にだんだん慣れてきてくれた感じです。
うれしいです。
打ち上げもそのままコルコで。
あっと言う間に午前様。


5月12日(月) 牡丹灯籠 初日。
ぬっ、今夜、本多じゃん。
何時に入るん?
ま、まぁいいか。
とにかくお稽古が終わるのが16時なんだから、それから行けばいいってことだな。
出囃子は僕と鉄六。
今日から鉄七にも手伝わせることにした。
本多に着くと、志の輔さんいらしてた。
志「ま、座れ」
テ「ども」
志「あいかわらず稼いできたのか?」
テ「あはは、そんなことないですよぉ(笑)師匠も知ってるコルコヴァードで伝の会やって。昨日沖縄から帰ってきたんです」
志「あっそっか。沖縄ではゴルフやってくれるヤツいないのか?」
テ「ゴルフ場ステキなんですってね」
志「ああ、そりゃあ素晴らしいよ」

2006年初演の「牡丹灯籠」も今年で三年目。
終演後、飲みに行く。
生志さんもいらしてる。
「おめでとうございます」がやっと言えた。
テ「ジャイアントガール見ましたよ」
志「見たか!」
皆で大いに盛り上がる。
生「スゴイんですねぇ」
志「そうなんだよ、今一番見たいよな」
テ「見たいですねぇ」
志「だからフランスに行きたい」
M「落語会で行けばいいんですよ(笑)」
テ「で、その独演会いつにします?」
志「うるさいよっ!」
ちょいと恋したジャイアントガールの映像はこちら。
しかもジャイアントガールという名前ではないのだ。
“The Little Girl Giant.”
http://jp.youtube.com/watch?v=qBXr15K2uSc


5月13日(火) 牡丹灯籠 中日。
うーーー、頭がぐるんぐるんするーー。
酒のない 国へ行きたい 二日酔いだーー。
日本酒飲んだからなぁ、きいたなーー。
シンドイ、うーーー。
調子に乗って飲んだんだろうなぁ。
志の輔師匠もシンドイんだろうなぁ。
と、午前中に別件で志の輔さんからお電話いただく。
あらっ、めちゃめちゃ元気そう。
強いなぁ、お酒に強いお方。
ともあれ、昼間はスクハジ(鉄駒・鉄六)の稽古、そして本多劇場へ。
尚且つ、終演後打ち上げ。
今夜は飲まんようにしよっと。
昇太さんがいらしてる。
音楽の話ができた。


5月14日(水) 牡丹灯籠 千秋楽。
元気に起きる、とまではいかない。
睡眠不足だ。
この三日間、昼間はお弟子さんのお稽古をして、夜は本多に行くという隙のない日々を送っている。
疲れないわけがない。
今日もがんばろ。
体験入学で通っていた人が、正式にお弟子さんになりたいと言ってきた。
うれしい。
牡丹灯籠も今夜が三日目。
志の輔さん、三日間やるのは根性がいることなのだろうか?
それとも、パルコで一ヶ月を経験しているので、なーんでもないものなのか?
たった一人で舞台に出て行く後姿を見ていると、いつも色々なことを思う。
そして、舞台は素晴らしい。


5月15日(木) 浜松。
昨夜は老酒を飲んだ。
志の輔さんが勧めるもので。
そりゃ飲みますわね。
おいしかったです。
志「絶対に翌日残らないから」
とおっしゃっていたとおり、残ってません。
元気に朝の新幹線に乗りました。
けれども、ちょいと睡眠不足ってのはありますね。
天気の良い浜松にちょっと引きました。
注文していたものを取りに行ったり、人に会ったりと、相変わらず凄まじい浜松で、15時からのお稽古始めるころにはシャキッとしておりました。
稽古終わってからも打ち合わせ。
その後、とにかく寝ました。


5月16日(金) 伝の会 掛川公演。
掛川シオーネで
「長唄三味線 伝の会がおくる 歌舞伎入門シリーズ」
という長いタイトルの公演を3回やることになっている。
今日はその2回目。
友達の(というか、僕の踊りの師匠というか)七々扇左恵さんに来てもらって、化粧から衣裳着るとこまでやってもらい、最後に「黒髪」を踊るというものがメインです。
左恵さんならではの、気の利いたステキなものでした。


5月17日(土) 談志独演会。
再び浜松です。
昼ごはんをお弟子さんがご馳走してくれるというので、ちょいとビールを飲んでしまいました。
ダルッ。
20分昼寝の後、お稽古開始。
終了後あわてて、福祉会館へ。
立川談志独演会。
談志さんの体調の具合で急遽「一門会」になりました。
チケットを取ってくれたので、初めて、談志さんの舞台をじっくりと客席で観賞できるのです。
いやいや、とにかくね、いやはや、ワクワクものですよ。
なにせ、あたしゃ、ガキん時から談志ファンですからね。
あんまり好きすぎて、今まで観にいけなかったくらいですから。
楽屋に行くと、エンボスの社長たちが、これから駅まで迎えにいくと言う。
ドキドキしながらケータリングのコーヒー飲みましたね。
そのうちに鉄六からの電話が入り、正面の外で話し始めます。
もう開演時間が近いのかお客さんがたくさん集まってきています。
電話していると、目の前を談笑さんが通って行った。
僕と目があった。
笑「ははははは」
テ「ははははは」
笑「ここ、浜松っすよ」
テ「談笑さんこそ、ここは楽屋じゃないっすよ」
談笑さん、客席の方を観に来たらしい。
家元がラーメン食べたいと言うのでかっこんできたそうな。
お、到着されたか。
本日のご出演の皆様は、談志さんに生志さん談笑さんに談修さん。
良いですねぇ。
生志さんも談笑さんも浜松は初めてだそうだ。
談志さんの体調の悪さのため、生志さんが来ることになり、
襲名の口上がありました。
なんと素晴らしいことか、初めて来た浜松で襲名口上が出来るなんて。
生志さんもお客様も幸せでございます。
声が出にくい談志さんは、最初にご挨拶をし、トリでは高座で一席されました。
涙が出てしょうがなかった。
ガキんときからよく見てた「権兵衛狸」だったし。
ステキなステキな一門会でした。
いや、やっぱり「談志独演会」でした。
見事というよりほか言い様がない。

打ち上げに来なさいと言われるが、遠慮しました。
もう、今夜はこれで良いのです。
あこがれの人の舞台を見られただけでも。
「美笠でするんだから、師匠(僕のことね)も来なさい」
の一言で結局行くことに。

お店で待っていると、談志さんご一行到着。
生志さんが僕を見て
「ええっ!ここ浜松っすよ!」
生志さん談笑さん談修さんのお三方は最終の新幹線で帰らなきゃいけない。
ただいま、午後9時20分。
45分には美笠を出なきゃいけない。
おいしい料理を「かっこんで」タクシーに乗って行かれました。

さぁ、残ったのは談志師匠とスタッフと僕。
もうアタシャ、同じ空気吸ってるだけでも胸が一杯なのに、
いろいろ話しかけてくださる。そのうち会話が出来るようになる。
夢のようですな。
お帰りになるとき、
話してくださってありがとうございました、と言ったら、
「また会いましょう」と握手してくださった。
やはり興奮しているエンボスの社長が、
「事務所に行こうぜ」
そりゃそうだろ、このまま寝られるかいっての。
スタッフも戻ってきて、事務所でお疲れ様会。
スタッフは、今やっと食事だそうで、お弁当食べてる。
おつかれさま。
社長と僕は、語る語る。


5月18日(日)
昨夜の興奮さめやらぬ頭。
談志さんはお昼まで寝るとおっしゃっていた。
「どうせ寝られやしねんだけどな」と。
アタシャ、8時ちょいに起床。
9時の新幹線に乗る。
混んでいる。
やっと寝られると思ってグーーッと入ったところで東京着。
東上線に乗っているときに電話が。
「志の輔さん」と出ている。
おおっ。
電車ん中じゃ出られないので、途中下車して折り返す。
テ「どうも鉄六がお世話になりました(16日の志の輔独演会に鉄六が三味線弾きに行っていた)」
志「いやいや、こっちこそありがとーね」
ここで通過電車が通り声が聞えなくなる。
テ「もしもし」
志「どこにいんだーーー」
テ「あ、電車に乗ってて電話出られなかったんでホームに出ました」
志「ああ、そんなにまでしなくたって。ごめんごめん、ただ、お礼を言おうと思ったんだ」
テ「わざわざすみません」
志「うん、じゃな」
律儀な方です。
23年前、談志さんの番組「らくごのピン」で志の輔さんを認識した。
それ以前から知ってはいたが、その時に「志の輔さんって」って思った。
ビデオは録画してある。
そうなのだ。
お二方もテレビの向こうの人。
その方から電話をいただいたり、話をしてくださったり。
人生っておもしろいもんだ、ありがたいもんだと思ってしまう。

午後から、自宅の稽古日。
5時頃、お弟子さんが空いた。
お腹が減って減ってだった。
カップうどんがあったので、そそくさと食べ始めたら、娘が遊びから帰ってきた。
テ「よぉ」
娘「うん」
テ「お前はキウイか?」
娘「それもちょうだい」
テ「ああ、いいよ」
娘「素直だな」
テ「少しくらいしか食べないだろ」
娘「どうかなぁ?」
ツルツルツル
テ「もういいのか?」
ツルツルツル
娘「うん、もう一度もらう」
ツルツルツル
娘「あとは、最後におつゆだけちょうだい」
テ「お腹減ってるのか?」
娘「ううん、パパとおそばとかおうどん食べるのって楽しいからさ」
テ「それだけの理由か!」


5月19日(月)
伝の会の営業がありました。
虎ノ門パストラルに行きました。
なんだか喉が痛い。
風邪っぽいのかなぁ。


5月20日(火)
寝坊して起きたらお弟子さんが来ていた、失礼しました。
それからずーーっとお稽古。
一日家にいるということで、色々な出入りがある。
洗濯機が届いたり。テレビを直しに来たり。
宅急便が集荷に来たり。猫が文句を言いに来たり。
仕事もたまっている。
最近、細かいことは、その場にいるお弟子さんたちが
手伝ってくれるようになった。
これがなかなか頼もしい。
時には、稽古に来たのだか事務仕事に来たのだかわかんなくなる人もいる。


5月21日(水) 志の輔らくご 21世紀は21日。
稽古に来た鉄六と一緒に新宿明治安田生命ホールへ。
二人ともお腹減っている。
食べていく時間はない。
会場入りして、チラシの折込を。
今夜は伝の会のチラシも配るので、念入りに手伝う。
30分で完了。
ふー、として楽屋に戻るとお弁当が届いていた。
さっそく食べる。
先輩のヒロさんよりも先にお弁当を食べる。
いつものように始まる。
ヒロさんもドッカーンってウケてる。
ヒロさんが引っ込むと出囃子がかかる。
袖で志の輔さんが引っ込んできたヒロさんを迎えるわけでもなく迎える。
この「ほど」っていうのが良いなぁ。
弾いてると二人がニコニコ会話している姿が目に入る。
そして高座に向かって歩いて行こうとした瞬間、志の輔さんの目が変わる。
なんていうんだろ?
僕には少年の目に見えるんだけど。
純な目。
蓮二さんの写真にも時々とらえられている顔。
蓮二さんの新しい写真集が出た。
終演後、「俺もするか」とサインしにロビーに出て来た志の輔さん。
いつもの打ち上げ。
盛り上がる。
志の輔さん、数週間ひいてた風邪のようなものから解放された、良かった良かった。
テ「着物いいなーって。お作りになったんですか?」
志「うん」
H「ほんと、志ん朝師匠のような」
志「ねー、志ん朝師匠がああいうね、サラーッとしたのがステキでねぇ」
テ「ヒロさんは楽屋で白いから幽霊みたいだって言ってましたけどね(笑)」
志「はははは、遠目には真っ白に見えるもんなぁ」
ヒ「はははは、おでこに△が似合うなぁって」
志「こういうことをミクシィに書いておけよっ!」
一同(笑)
今夜も楽しい安田でした。



5月24日(土)
毎月ホテル泊まりをしている。
ホテルに泊まるといろんな夢を見る。
22日から二泊三日で京都大阪にいた。
その二泊の間に見た夢。
Dr.スランプのアラレちゃんに連れられて、山を登って行く。
しんどいと言うが、「んちゃ」かなんか言われて歩かされる。
常に笑顔のアラレちゃん。
そりゃ、あんたは元気だろう、ロボットなんやからーー、みたいな夢。
ベッドで寝ていると、「水を置いておきましたから」と声がする。
「ありがとう」と言って目が覚める。
当然水は置いてない。
「やっぱり置いてないじゃん」と僕が言う。
で、「やっぱり置いてないじゃん」ってホントに言ってる僕の声で目が覚める。
頭の中で人と話しをしている。
相手は男たち。
たくさん議論している。
そのうち誰かが僕に言う。
「ちゃんと声を出しなさいよ」
そんなことは、今、この議論には全く関係ないこと。
声を出すか出さないかが問題なんじゃないというつもりで、
「そうじゃなくてっ!」と、めんどくさいが声に出す。
で、自分の声で目が覚める。
そのほか、忘れちゃってる夢を山のように見ている気がする。
そして、とにかく、夢の中に出てくる人物で最多出場が小泉元首相なのだ。
ヒロさんのモノマネじゃなく、ホンモノの小泉元首相。
シンボルのように立っていたり、わけのわからないことを言っていたり、ラフな格好だったりスーツだったり。
二泊三日の間、小泉元首相とは夢の中で何度かお会いした。

5月25日(日) お風呂がピカッと。
娘「10時(夜の)に寝ます」
テ「おっ、いいぞ、子どもは早く寝なきゃいけねーやな」
娘「9時からテレビ見たいんだよね」
テ「ん、ああ、間に合う。9時までにお風呂入っちゃおう。そして9時からテレビだ。テレビ見てる間に髪も乾く。お風呂出た時点で歯を磨いちまぇ。テレビが終わる。ベッドに10時だ」
娘「うん、今何時?」
テ「8時ちょい前だ。8時までに食べろ。家に帰って風呂掃除だ、お前がやれ」
娘「うん」
テ「ん、待てよ。まだ、お風呂の栓を抜いてないだろ」
娘「うん」
テ「よし、まず帰ったら、お風呂の栓を抜け、そして歯を磨け」
娘「うん」
テ「ん、違うか。お前、デザート食べたいだろ?」
娘「食べたい、けど、時間がないよ」
テ「ははは、今日、キウイをもらってきたんだ」
娘「えっ!ゴールド?」
テ「なんだそれは」
娘「キウイには二種類あるんだよ」
テ「なんだと」
娘「ゴールドとそうでないやつ」
テ「『そうでないやつ』ってのがおかしいな。しかし、俺にはそんなことはわからん」
娘「うん、どっちも好きだから」
テ「よしよし」
娘「それでどうするの?」
テ「オイ、食べるのをやめてはいけない、食べながら聞きなさい」
娘「うん」
テ「まず家に帰る」
娘「うん」
テ「お風呂の栓を抜け」
娘「うん」
テ「お風呂の水がなくなるまでにデザートタイムだ」
娘「キウイだね、いいなぁ」
テ「お前、よく、スパゲッティを食べながらキウイに思いを馳せられるな。ま、いい。そして、キウイを食べたところで風呂掃除だ、お前がやるんだぞ」
娘「うん」
テ「そしてお風呂が沸く、入る、出る、身体拭く、ソファに座る、テレビだ。どーだ、ジャスト9時だ」
娘「よし」
テ「あ、ちょっと待てよ」
娘「なに?」
テ「お前、リビング散らかしたまんまじゃないのか?」
娘「すぐ片付けます」
テ「よし」
娘「うん」
テ「待て」
娘「えっ?」
テ「どのタイミングで片付けるんだ?」
娘「えっ、なんとなく」
テ「それではイカン。うーーん、よし、お前は、まず、片付けをしろ」
娘「うん」
テ「お風呂の栓は俺が抜く」
娘「ありがとう」
テ「うーーん」
娘「なーに?」
テ「どのくらい散らかってるんだ?」
娘「さぁ」
テ「俺が、お風呂の栓を抜くくらいのタイミングで片付けが出来るのかと聞いている」
娘「うーん」
テ「だらしがないな。じゃ、こうしよ」
娘「うん」
テ「まだ言ってない」
娘「そういうの好きでしょ」
テ「そうだ。よく育ったな」
娘「ありがとう」
テ「家に帰って、俺がお風呂の栓を抜く、お前は片付けろ、そしてキウイを食べろ、片付けの途中でかまわん、キウイをデザートと考えるなら、そのタイミングで食べるしかない。そして、キウイを食べ終わったら片付けの続きをやれ、俺が風呂掃除をしてやる」
娘「うん」
テ「えっ、なんか、俺ばっかり働いてる気がする」
娘「食べ終わったよ」
テ・娘「ごちそうさま」
テ「急げ、5分過ぎている」

リビングにて。
娘「お風呂きれいでしょ」
テ「ああ、気持ちがいい、よくやった」
娘「そこの窓のとこも掃除したんだよ」
テ「大したもんだ」
娘「きれいだね」
テ「うん、な」
娘「なに?」
テ「お前がお風呂掃除をする。きれいにすると他の人が気持ちがいい。そして『ありがとう』って言ってもらえる、どーだ、いいもんだろ」
娘「パパ『ありがとう』って言ってくれた?」
テ「ん?言わなかったか今、ま、ありがとーってことだ」
娘「すごくピカピカになったんだよ」
テ「ああ、気持ちがいいよ」
娘「洗ってね、最後にお湯で流したらね、ピカーーッて光ったんだよ」
テ「はははは」
娘「ほんと、コマーシャルみたいにピカーーッて(笑)」
テ「そりゃいいや、ちょっと待て」
娘「なに?」
テ「俺もめずらしく今夜9時からのテレビが観たいと思ってたんだ」
娘「え?」
テ「法律ができる」
娘「あ、あたしも『法律が出来る行列』だよ」
テ「ああ、そうだったか、親子だな、気が合う気が合う」
娘「気が合っても番組名が違うけど」
娘「すごいね、最初は500万円集めようとしたのに、今は2000万も集まったんだよ」
テ「番組終了にはもっとなってるだろうな」
娘「宇太がかわいい」
テ「猫なんてどうでもいい、大事なところだテレビを観なさい」
娘「写真だけ撮らせて」
テ「おいおい、気ままな小学生。紳助がホロッときてるところを観なさい」
カシャ!!
テ「今なんて言ったか聞えなかったじゃないかーー!」


5月26日(月)
今月の10日、「伝の会 那覇編」が行われた。
これで、那覇での伝の会単独ライヴは3回を数えることになった。
うれしい限りである。
僕の娘は小学6年生。
僕が小学6年生の時に、沖縄は返還された。
ニュースで見た覚えがある。
しっかりと覚えている。
あの頃の僕は、30余年後に、あの沖縄で単独ライヴをしているなんて、
夢にも思っていない。
チト大げさだが、そんな思いが沖縄にはある。
その沖縄の人たちが伝の会を聴きに来てくれる、見に来てくれている。
うれしい限りである。


5月27日(火) 志の輔らくご 巣鴨四丁目落語会。
お稽古のあと、長唄協会の会合に出席。
終わると同時に飛び出し巣鴨に向かう。
今日は昼夜、志の輔らくごなのです。
僕が遅刻することが決まっていたので、鉄六・鉄七に行ってもらっている。
いやいや、暑い暑い、真夏のような陽気だ。
巣鴨からテクテクとなんとか歩いてスタジオフォーに到着。
志の輔さん高座中。
六「もし、舞台出ろって言われたら何やります?」
テ「うーーん」
六「高座の後ろに菖蒲のオブジェが飾ってありますよ」
テ「じゃ、菖蒲浴衣だな」
なんと簡単に決めるものか。
往々にしてそんなものである。
高座から帰ってきた志の輔さん。
志「テッチャーーン」
テ「はいーーー」ピューー!
志「15分くらい繋いでくれーー」
テ「はいーーー」ピューー!
志「やっぱり疲れてんのかなぁ」
テ「お元気そうじゃないですか?ちょっと太られましたか?」
六「美容院に行ったんですよ」
テ「ああ、そっか」
志「髪切って、太ってどーするんだーー」
テ「やっぱりお元気だわ」
志「ゲストもいないしさぁ、客が納得しないだろー」
テ「何をおっしゃる、師匠を観に聞きにきてるのですよ、僕らなんかが邪魔しちゃあねぇ」
志「いいから行ってこい」
テ「はいーーー」ピューー!
気がつくと高座に。
終わって着替えて、一度自宅に戻ることに。
実は、今日から数日間、父子家庭なのだ。
このまま、夜の部終わるまで娘を放ったらかしにするわけにもいかない。
娘を連れてスタジオフォーに戻ったとき、夜の部が始まっており、「梅は咲いたか」が聞え、外で待機している志の輔さんと会う。
志「よく来たなー、娘ーー」
テ「すんません、カミサンが留守なもんで子連れになっちゃいました、ご迷惑おかけします。ホラホラ挨拶挨拶」
娘「こんにちは」
志「大きくなったなぁーー、よくきたよくきたーー。あ、着物置いてきちゃったか?」
テ「いえ、あります」
夜の部も、僕の出番があるようだ。
師匠高座へ。
一席目終了。
志「この鮎のお菓子おいしーぞ。おじさん二匹も食べちゃったー。特別にあげるから」
娘「ありがとうございます」
テ「では、行って参ります。よろしくお願いします」
志「ほらっ、娘。ついてって見てきなさい」
夜の部のお客さんは知った顔の多いことよ。
弾かなくてもいいかなと思ってしまうくらい。
ま、そうもいかないので(あたりまえや)、昼の部と同じ演目をやる。
何より緊張するのは、弟子と一緒にやることですね。
だって、ドキドキするもの。
「こいつが間違えたって俺のせいじゃん」みたいな。
弟子じゃなきゃ大丈夫なんです。
うまく引っ張ってもいけるしフォローも出来る。
弟子に対しては、難しい。
早く慣れたいものだ。
とはいえ、結構楽しんで高座を下りる。
テ「何分やった?」
七「17分です」
ほほぉ、あんな感じで15分なのか。
なんか15分っていう感覚がつかめた感じがする。
伝の会やってて、30分とか45分とかは身体に入ってる。
しかし15分とか、もっと言えば7分とかって時間が身体に無い。
なきゃいけないと思っている。
・・・・・普通の長唄さんはこんなこと思わないか。
僕らと入れ替わりに志の輔さんが高座に上がる。
僕のことをいろいろ話してくれる。
うれしいですね、お客様に知ってもらおうと思っていろいろ話してくれることが。
志「彼と出会って何年なのかなぁ?それまでCDで出てたんですよ。つい、最近までね」
そうだよな。
僕は天下の立川志の輔がCDで高座に上がるのがイヤだった。
日本舞踊をテープで踊ってるような感覚になったのだ。
地方(じかた)じゃなくね。
良くも悪くも生音がベストだと思っているから。
だから、たった1分の出囃子だって、生の音で出てもらいたかった。
弾かせてくださいって言ったのもそういう理由だった。
そして安田の会で弾かせてもらうようになった。
ここスタジオフォーは、80人という志の輔さんの独演会の中では、最小規模の場所。
ここだって生音でやりたいと思った。
観客の多い少ないじゃなく、志の輔という人を送り出すということが大事だと思っている。
僕の出囃子が良いか悪いかはわからない。
でも気持ちだけは誰にも負けたくないと思ってやらせてもらっている。
昨年だか、ブラッと遊びに行った師匠の独演会の会場で、
師匠はCDの音に乗って高座に上がっていた。
そっか、まだCDで出ることがあるんだ。
当たり前といえば当たり前のことだけど、ショックだった。
三味線持って、師匠の行く場所行く場所追っかけていこうかと思うくらい。
志「そうだよ、まだCD使ってんだよ」
今年からは東京以外の独演会にも連れて行ってもらえている。
師匠としても大きな決断だったに違いない。
交通費も宿泊費もかかる。
たった数分のことに。
しかも多くの会場で、生音はマイクを通してスピーカーから聞えてくる。
CDと区別がつかない人も多いと思う。
それでも師匠は決断をした。
これはスゴイことだし、うれしいことだ。
早く志の輔師匠に
「そういえば、昔はCDで出てたこともあったなぁ」
と、つぶやいてもらえる日が来ることを。
夜の部終演。
ニコニコ顔のお客様たちが帰って行く。
志「飲むぞ」
テ「はい」
志の輔らくごスタジオフォーの打ち上げ。
志「んまいっっっ!」
昨日、今年に入って初めてお酒を抜いたという志の輔さん。
ビールのうまさに舌鼓を打った、ポンっ!
テ「そりゃあ、おいしいでしょう。昨日、お酒を抜いて、今朝9時から打ちっぱなしに行って、昼夜独演会やってのことですもの。どんな体力ですか!」
志「やっぱり、朝が違うんだよ。忘れてたよ。シャキッとするもの。行っちゃうね、打ちっぱなしに(笑)」
ウインナーが焼けましたよーー
志「おお、そのフライパンで焼いたか、うまいんだぞーー。
Yちゃん(いつのまにか娘は名前で呼ばれている)、これすっごくおいしいからね、食べなさい」
娘「熱そーー」
テ「いいから食べなさい。師匠にそう言っていただいたんだから」
志「パパに先に食べさせて、アツッて言ったら、もう少し待てばいいんだよ(笑)」
娘「おいしいです」
志「だろぉっ。おいしいんだぞー。このフライパンは最高なんだぞ。
ホラッあそこにいるおばちゃんが作ったんだよ」
テ「覚えてるだろ。前にも会ったことあるし。とにかくチーボーさんのフライパンはスゴイんだ」
志「ホラホラ、誰か早く食べちゃいなさい。あ、すまないけど、これで目玉焼き焼いてくんないかなぁ、Yちゃんは玉子の黄身と白身はどっちが好き?」
娘「白身です」
志「おお、そうだろ。なんてったって白身だよねぇ。ゆで卵になったときなんか黄身はいらないって言ってもいいくらいだよねぇ」
娘「黄身は食べられないです」
志「おおY(ここから「ちゃん」無し)、そうだそうだ」
焼けましたーーー
志「おー、いいないいな。うまそうだ」
テ「わけましょーわけましょー」
テ「そうそう、そのコテもいいんですよねぇ、味があってね」
志「そっちの方が白身が多いな」
テ「どんだけ白身が好きなんですか!」
志「だってねーY、白身がおいしいもんねーー」
娘「はい」
テ「おーおー、妙な感じだぞ。ミクシィ被害者の会か」
志「あっ、Yも書かれてんのかぁ、パパにー。おじさんも書かれるんだよーー」
娘「はい、言ってないことも書いてます」
志「だろーー」
テ「違いますよ、コラッ、ちゃんとお前がしゃべったことだろー」
娘「違うよー」
テ「お前が覚えてないだけなんだよーー」
志「目玉焼きの時の黄身の食べ方を教えてあげよー」
娘「はい」
志「黄身をな、こうやって吸うんだ」
テ「『たんぽぽ』やん」
娘「できないなぁ」
テ「やれっ、師匠がそうおっしゃてんだから」
娘「全部食べました」
志「おお、そうかそうか、えらいぞーーY、黄身もきれいに食べたなぁ」
テ「そういやぁ、お前、志の輔さんと初めて会ったときのこと覚えているか?」
娘「ううん」
テ「ホラホラ、どっかで『志の輔vs.伝の会』の公演の時、もう5~6年前かなぁ」
志「群馬だ」
テ「あ、そうですそうです。で、志の輔さんがお前のことYちゃんYちゃんって可愛がってくれるもんだから、お前泣いちゃったんだぞ」
娘「あっ、泣いたのは覚えてる」
志「泣いたの覚えてるんなら、その時に泣きやめ(笑)」
志「なぁ、ミクシィやってるパパなんか置いておじさん家に行こうか」
テ「あ、よろしくお願いします」
志「おいおい、渡してどうする(笑)」
娘「書かないでよ」
志「はははは。おいY、パパにミクシィやめてもらえ」
娘「パパ、ミクシィ止めてーー」
志「ははははは」
仕方がなかったとは言え、志の輔師匠の職場に娘を連れて行ってしまったのに、志の輔さんは歓迎してくれ、お気遣いくださいました。
娘も忘れられない晩になったことでしょう、感謝。

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